作品への思いを語る真島秀和さん=山形市・フォーラム山形

全国公開中の映画「破戒」に出演する米沢市出身の俳優・真島秀和さん(45)が23日、山形市のフォーラム山形で舞台あいさつした。島崎藤村の名作を60年ぶりに映画化し、差別という重いテーマに挑んだ作品。真島さんは「100年以上前の話だが、今を生きるわれわれにも訴えかけてくるものがある。いい映画ができた」と語った。

本作は、父の戒めを受け被差別部落出身ということを隠し、小学校教員として勤務する瀬川丑松(間宮祥太朗さん)が主人公。隠し続けることに悩む中、真島さんが演じる、同じ境遇出身の思想家・猪子蓮太郎に傾倒していく。

真島さんは大きな拍手に迎えられ、黒のジャケット姿で登場。主人公に影響を与える重要な役を務め、「(猪子は)一切ぶれることがない強い人。どう自分を持っていくかが勝負だと感じた。相当な覚悟を持って挑んだ」と振り返った。

最後に観客から一斉にカメラを向けられると「すごいな。珍しい動物になった気持ち」と笑いを誘い、「大切な気付きを与えてくれる作品。骨太の日本映画もいいと広めてもらえたら幸せ」と呼びかけた。

2022年7月24日山形新聞より