
米沢市出身の俳優真島秀和さん(45・H7卒)が自身のルーツをたどりながら、故郷の魅力を伝える写真集「Home」(トゥーヴァージンズ)が出版された。「大好きな米沢の良さを多くの人に知ってほしい」との思いで、長年通い続けるなじみの店や懐かしの母校、特別な時間を過ごす場所などを思い出とともに紹介。巻末には地図やガイドも収録され、観光情報としても活用できる一冊となった。
なじみの店、母校など紹介
撮影は昨年10月と今年2月に行われた。観光ガイドにもなる本をコンセプトに、打ち合わせ段階から真島さんも参加しロケ地を選定。上杉神社や松川河川敷、白布温泉など友人や家族と時間を過ごした場所、岩倉まんじゅうや米沢ラーメンといった米沢ではなじみ深いグルメに加え、変化する市中心部や、米沢織のnitorito(ニトリト)、カフェギャラリー青田風など新たなスポットも盛り込んだ。
真島さんが「ここだけは絶対に外せない」と主張したのが、物心ついた頃から家族と通う「江戸久餃子(ぎょうざ)店」だ。帰省した際も必ず訪れる店で、「ここの餃子は日本一。いろんな人にいつも薦めている」と話す。表紙を飾る店のお母さんとの2ショットが気心知れた雰囲気を醸している。
母校の米沢興譲館高では、高校の同級生でブックデザインを担当した我妻晃司さんの提案で、卒業アルバルと同じポーズでバスケットボールを抱えて撮影。「中学からバスケ部で、当時は部活に一生懸命だった」と振り返った。撮影で街を巡り「中心部のアーケードや大沼がなくなった寂しさはあったが、新しい形で伝統を残そうとしている人たちがいることも知った」と改めて地元の良さを実感したという。
「米沢はずっと変わらずにいてくれる人たちがいて、のびのびとリフレッシュできる場所」というように、写真はリラックスした素の表情が印象的だ。一方で、「育ててもらった自分の原点。その思いは年を重ねてどんどん強くなっている」とする。「米沢、山形のために何か役に立てることがあればやっていきたい。写真集も県外の人はもちろん、地元の人も改めて魅力に気づくものになっていればうれしい」と話した。
B5変型判、オールカラー128ページで2640円。
市がタイアップ、観光ガイド発行―真島さんお薦め土産掲載
米沢市は市の「おしょうしな観光大使」も務める真島秀和さんの写真集「Home」とタイアップし、無料の観光ガイドブックを発行した。写真集で紹介されたスポットに加え、義経焼やクラフトビールなど真島さんお薦めの土産も掲載。同市観光課は「米沢のコアな部分や新しい魅力も詰まった写真集と2冊を持って、ぜひ米沢に遊びに来てほしい」としている。
A5判、オールカラー16ページ。1万部発行し、全国の書店や市観光課で配布している。
2022年5月30日山形新聞より

