絵図を眺める照井博恵さんと推進組織のメンバーたち =川西町・皇大神社

仙台藩初代藩主・伊達政宗が生まれた米沢を起点に、伊達氏ゆかりの地域で同じコンセプトの案内マップを作って交流と地域活性化を図る「伊達三日月街道プロジェクト」で、第3弾となる川西町のマップ制作が進んでいる。18日、地図のデザインを担当する白鷹町出身のイラストレーター照井博恵さん(35)=広島市大崎上島町=が町を訪れ、地図で紹介する観光スポットなどを自分の足で見て回った。

町内に住む推進組織のメンバー3人と共に、伊達政宗が宿泊した記録が残る常念寺や、かやぶき屋根の店舗が国の登録有形文化財に指定されている菓子店「錦屋」などを回った。皇大神社では、約200年前に書かれた上小松村の絵図を閲覧。1801(享和元)年に描かれたものとされ、政宗が生きた時代と道は変わらないとみられる。絵図では同寺や同神社に加え、美女松といった町のシンボルとして親しまれたスポットや町名など現代と変わらない箇所が多く見られた。照井さんたちは政宗が通った道と、現代の町の様子を比較して想像し、案内マップの完成に向けてイメージを膨らませていた。

同プロジェクトは2020年に発足。同年11月に第1弾で米沢市の赤芝町・舘山、21年8月に第2弾として広幡・六郷地区のマップを制作した。推進組織の代表を務める進藤俊彦さん(66・S50年卒)は「(作家・劇作家の)井上ひさしさんなど町出身者の話題も絡めながら、川西の特長をふんだんに盛り込んだ地図にしたい」と話していた。

2022年5月26日山形新聞より