加藤英樹米沢商工会議所新会頭(63・S53卒)

副会頭を務めた12年間、3人の会頭が東日本大震災や新型コロナウイルス禍などで米沢商工会議所を引っ張る姿に接した。それらを参考に、自分は何をすべきかを考えている。「コロナ禍で地域経済は冷え切ってしまった。まずは会員事業者に対し、家族のように寄り添い、踏み込んだ支援をしていく」と抱負を語る。

コロナ禍、災害、世界的な物価高騰と、個別事業者で対応しきれないことが多い。「危機に備え、何かあった時にすぐ動ける会議所でありたい」。一方、会議所新会館の建設や山形新幹線の福島県境トンネル整備など、次の世代に街を良い状態で引き渡せるよう、地域全体を見据え、息の長い取り組みも重視する。

本業は公認会計士、東北大卒業後、東京の監査法人での勤務を経て1995年に帰郷した。現在は自ら設立したおおぞら総合会計事務所の代表社員を務める。

監査法人時代は上場企業の監査を中心に手掛け、多い時は20人ほどでチームを組むことも。マネジャーとして仕事を割り振り、「この人は何ができるか、得意分野は何か」と考えるのが習慣になった。チームで動くことが身に染みついているといい、会頭としても強力なリーダーシップを発揮するというよりは、「スタッフの力を最大限に生かすこと」を考える。

趣味は飛行機のプラモデル作り。複葉機など1910~50年代のクラシカルな機体を好み、早朝に1、2時間作業する。音楽をかけ、コーヒーを飲みながら他のことを考えずに没頭できる貴重な時間だ。長男、長女は独立し、米沢市内で妻、次男と3人暮らし。

2022年11月29日山形新聞より