伊達政宗と米沢のつながりなどを示す資料が並ぶ展示室=米沢市関・支倉常長生誕之地歴史資料館

米沢生まれの初代仙台藩主・伊達政宗について、地元住民に深く知ってもらおうと、米沢在住・出身の有志が同市関の支倉常長生誕之地歴史資料館内に、政宗に関する資料を集めた展示室を設けた。関係者は「地元の子どもたちが政宗と米沢との関わりについて学ぶ場としたい」とする。

関地区の支倉常長資料館内・舘山城写真や略年譜など50点

政宗は1567(永禄10)年に米沢で生まれ、岩出山(現宮城県大崎市)に移る91(天正19)年までを過ごしたと伝わる。この間に、家督相続も行われている。関地区は、政宗の命を受けてスペイン・ローマを訪問した支倉常長の生誕の地とされ、「伊達の里」をアピールしてきた。展示室は「伊達のふるさと米沢展示室」として、常長の展示室の隣に設けた。伊達家ゆかりの舘山城の空撮写真、米沢時代の政宗の略年譜、政宗と父輝宗の関係を示す資料など約50点を紹介している。

展示資料は、米沢市出身で、米沢伊達氏案内人として仙台から米沢へのバスツアーを企画してきた椎野健作さん(77・S40卒)=仙台市=が、仙台市博物館などの協力を得て作成した。同館所蔵の父輝宗の日記や政宗宛ての書状、米沢時代に政宗が用いた甲冑などの資料写真を、椎野さんが説明を添えて紹介している。輝宗が家督相続時に政宗に送って書状では、「自分の信じるところを突き進め。命をかけて支える」などと励ましており、父が子を思う気持ちが伝わる。

展示室を整備した支倉常長生誕之地顕彰会の岡崎利勝会長(78)=米沢市関=は「米沢は『上杉の城下町』の印象が強いが、政宗が米沢で生まれ過ごしたことを地元の子どもたちにも知ってほしい」と話している。

開館時間は午前9時~午後5時で入館無料。問い合わせは岡崎さん090(3126)9789。

2024年5月21日山形新聞より