-観光業は長引く新型コロナウイルス禍により大きな打撃を受けた。
「地域経済再生のためにも、裾野の広い観光業の復活が必要。『県民割』などを実施し、地元の人が身近な地域を旅行するマイクロツーリズムの需要を喚起して下支えに努めてきた。県民割は4月から東北、新潟県、北海道にも対象を拡大し、客足が戻りつつある。同月からは南東北とJR東日本と連携したポストDCキャンペーンを展開している。出羽三山の蜂子皇子(はちこのおうじ)御尊像特別拝観や最上三十三観音御開帳、本県ならではのパフェを提供する朝パフェなどの特別企画を前面に旅行マインド回復と誘客促進の契機にしたい。国のGoToトラベル終了後は県版GoToトラベルで観光復活を図る」
-先を見据えた施策は。
「SDGs(持続可能な開発目標)やユニバーサルツーリズムなど新たな視点・ニーズに応じた旅行商品開発、対応が必要。これら分野に精通し、地域づくりで実績のある先駆者を全国から招き、県内観光従事者と連携して魅力ある企画の開発を進める。同時に将来を支える人材も各地に育成する。感染予防、先行投資の両方に使える助成金も用意した。インバウンド(海外からの旅行)も培ってきたネットワークを絶やさないよう、従来からの台湾、中国、香港と、新年度からタイに配置した現地コーディネーターを活用し、現地旅行会社へのPR、情報発信で収束後に備える」
-文化財の保存と活用にどう取り組むか。
「史跡や民俗芸能など、各地域に根ざした文化財が数多く存在する。確実に次世代に継承するためにも活用が重要。文化財を観光誘客にも活用することで保存と活用の好循環、さらには交流人口の拡大、地域活性化につなげていきたい」
2022年5月5日山形新聞より