賞状を受け取る梅津幸保会長(S39卒・中央)と山口邦雄会長=山形市。遊学館

県文化財保護協会(伊藤清郎会長)の第36回文化財愛護川崎浩良(こうりょう)賞の授賞式が28日、山形市の遊学館で行われ、米沢市の「歴史の道土木遺産萬世大路(ばんせいたいろ)保存会」(梅津幸保会長・S39卒)と鶴岡市の「大山文化財を愛する会」(山口邦雄会長)の功績をたたえた。

同保存会は「萬歳(ばんざい)の松保存会」を前身とし、2006年に発足した。初代県令三島通庸が着手し、米沢-福島を結ぶルートとして1881(明治14)年に完成した萬世大路の保存のため、現地案内や説明板・案内板の設置、散策マップ作製などに取り組んでいる。

同愛する会は1983(昭和58)年に設立された。大山地区にかつて、尾浦城があり、大山上池・下池はラムサール条約に登録されている。多くの歴史・文化遺産が残り、若い世代を意識した夜間講座の開催など文化財保護や伝承活動に注力している。

授賞式で伊藤会長から賞状を受け取った梅津会長は「伝統ある素晴らしい賞を頂いた。地区を挙げた活動が認められ、大変喜んでいる」、山口会長は「大山の文化を維持したい。受賞を励みに、これからも事業を進めていく」と述べ、それぞれの活動や地域の歴史を紹介した。

同賞は天童市出身の郷土史家川崎浩良(1875~1963年)の業績をたたえ、86(昭和61)年に創設された。川崎が第1回斎藤茂吉文化賞を受賞した際の賞金と募金による基金を運用し、県内の文化財保護に貢献している団体などを顕彰している。

2023年1月29日山形新聞より