斎藤茂吉文化賞、県産業賞、県科学技術賞の受賞者に賞状などが手渡された=山形市・文翔館

本年度の斎藤茂吉文化賞、県産業賞、県科学技術賞の贈呈式が3日、山形市の文翔館で行われ、本県の芸術文化や産業の振興、発展に寄与した受賞者の功績をたたえた。

吉村美栄子知事が「今後も県勢発展のため、一層の力添えをお願いしたい」と式辞を述べ、茂吉文化賞委員会の近江正人委員、産業賞委員会の安房毅委員が選考経過を報告した。吉村知事が各受賞者に賞状などを手渡し、茂吉文化賞委の松倉敏子委員、産業賞委の小野木覚委員が祝辞を述べた。式には斎藤茂吉の孫・斎藤茂一さん夫妻、産業賞の基礎となる功績を残した医学者浦本政三郎さんの孫・井熊仁さん夫妻が来賓として出席した。

受賞者代表のあいさつでは、やまのべ女声合唱団の指揮者を務める吉田ユカリさん(82)=茂吉文化賞、山辺町=が「今は教え子に教わり、団員に支えられ活動している。賞を励みに精進していきたい」。産業機械製造業エツキ会長の早坂悦男さん(84)=産業賞、村山市=は「生きている限り、ものづくりを通して本県産業界の力になれたらいい」とそれぞれ語った。

山形大大学院有機材料システム研究科長の伊藤浩志さん(56・S59卒)=科学技術賞、米沢市=は「プラスチックは重要な部材だが、環境問題などの観点から新たなプラスチックやものづくりが必要となっている。一層の研さんを重ね、社会のニーズに対応した研究と教育に精進する」と述べた。

芸術、学術分野で功績のあった個人、団体を顕彰する茂吉文化賞は吉田さんに加え、人文科学(郷土史)分野の梅津幸保さん(78・S39卒)=米沢市、美術(書道)分野の鈴木千岳さん(80)=天童市=が受賞。産業振興・発展に尽力した個人、団体をたたえる産業賞には早坂さんをはじめ、カタログギフト最大手リンベル社長の東海林秀典さん(75)=山形市、切削工具再研削・特殊工具製造などのマイスター(寒河江市、高井糧社長)が選ばれた。

2022年11月4日山形新聞より