来月14日・川西

川西町出身の作家・劇作家井上ひさしさん(1934~2010年)をしのぶ文学忌「吉里吉里忌」は町フレンドリープラザで、4月14日に10回目が開催される。実行委員会は、「吉里吉里忌」などを季語として井上さんへの思いを詠んだ俳句を募集している。

吉里吉里忌実行委員会が井上ひさしさんにちなんだ俳句を募集している=川西町フレンドリープラザ

作家らの命日は「文学忌」と呼ばれ、俳句では季語として扱われる。太宰治の「桜桃忌」(6月)、斎藤茂吉の「茂吉忌」(2月)などが挙げられ、時季を表す言葉として定着している。そこで、多くの人から「吉里吉里忌」を使って俳句を詠んでもらい、将来的には歳時記への収録につなげて、4月を表す言葉として広めたい考えだ。

句には「吉里吉里忌」「ひさしの忌」「ひさし忌」のいずれかを使う。今回3回目の募集で、昨年は全国各地から393点が投句された。井上さんの代表作のひょっこりひょうたん島、平和を願った姿、自身が作詞した川西中校歌などにちなんだ句も多い。

「吉里吉里忌泣くのはいやだ笑っちゃおう」「花影に平和を願うひさしの忌」「吉里吉里忌『人らしき人』めざす我」など、詠み手の思いがうかがえる。

井上さんは、江戸時代の俳人・小林一茶に関する演劇を手がけるなど俳句に精通していた。同プラザの栗田政弘館長(S49卒)は「俳句の経験は全く問わない。井上さんが思い入れのある俳句を通じ、ファンの皆さんで作家をしのぶ機会にしたい」と話した。

投句は2句までで、3月15日まで募る。同プラザのホームページから用紙をダウンロードでき、はがきやメールでも応募できる。問い合わせは同プラザ0238(46)3311。

2024年3月2日山形新聞より