南陽市の吉野文化史研究会(山田正春会長)は、市内荻の相撲研究家・小形芳美さん(67・S49卒)が、江戸から昭和初期に活躍した郷土力士の生い立ちや武勇伝などをまとめた資料「山形名力士列伝第1集-珍資料でたどるそれぞれの花道-」を冊子化した。公民館での閲覧をメインに活用していたが、反響が大きく、冊子化を求める声が相次いだため作成したもので、希望者に印刷代千円で配布する。
江戸から昭和初期の9人紹介
資料は、小形さんが「相撲が盛んな土地柄を再認識することで、郷土愛の醸成につなげてほしい」と、昨年1月から約1年がかりでまとめた。人気力士の出羽ケ嶽(でわがたけ・上山市出身)や、豪傑と言われた雷電為右衛門(らいでんためえもん)に黒星を付けた春日山(かすがやま・鶴岡市出身)ら、これまで脚光を浴びなかった力士を含めて9人を紹介しており、各種資料や書籍を読み解いたほか、力士の生家やその近隣住民の取材内容も盛り込んでいる。
2力士のほかには、長瀞の怪童こと大童山(だいどうざん・東根市出身)、酒にまつわる武勇伝も残る達ノ矢(だてのや・長井市出身)、美貌が評判の釈迦ケ嶽(しゃかがたけ・山形市出身)、幕内で17年活躍した常山(つねやま・酒田市出身)、親方を殴った型破り大関大達(おおだて・鶴岡市出身)、小兵の業師岩戸山(いわとやま・三川町出身)を記載した。
市内の宮内、吉野両公民館で閲覧を受け付けていたが、市外からの閲覧希望者が多かった上、読者からは「冊子化してもらい、手元に置きたい」「知らなかったことが多く、興味深く読める」といった好評の声が寄せられたため、冊子にすることにした。
冊子はA4サイズ38ページ。力士ごとの文末には、小形さんが収集した貴重な資料の写真もカラーで紹介している。問い合わせと購入の申し込みは同研究会事務局の吉野公民館0238(41)2001。
2023年3月6日山形新聞より